京都の夏を彩る盆花「ミソハギ」・「ホオズキ」と祇園祭の伝統花「ヒオウギ」|京都・精華町の造園会社が解説

梅雨が明けて本格的な夏を迎え、京都では玄関先に飾る盆花が気になりはじめる季節になりました。

実はこの時期の庭仕事には、盆花のミソハギやホオズキ、祇園祭の魔除け「ヒオウギ」など、京都の暮らしに根づいた特別な植物が関わっています。

私たちは京都府精華町で昭和54年から造園業を営み、お盆の時期には庭木や植栽のご相談を数多くいただいています。

今回は、夏を彩る伝統的な植物の意味と育て方から、留守中の水やり対策までを順にご案内します。

結論からお伝えすると、盆花や祇園祭のヒオウギの意味を知り、留守中の水やりと台風前の点検を済ませておくと、安心してお盆を迎えられます。

ミソハギやホオズキといった盆花、祇園祭の魔除けとして知られるヒオウギ、迎え火の場所づくりまで含めて、お盆を迎える庭を整えていきます。

この記事でわかること

  • 「ミソハギ」・「ホオズキ」など盆花の意味と、庭での育て方
  • 祇園祭の魔除け「ヒオウギ」の意味と、庭での育て方
  • 六道まいり・五山送り火など京都の習俗と庭の関わり
  • 留守中の水やりと、台風前の点検ポイント

お盆に飾る盆花にはどんな意味があるのでしょうか?

盆花としてよく知られるのはミソハギとホオズキで、どちらも精霊を迎える意味を込めて飾られてきた植物です。

意味を知って庭で育てると、お盆の飾りつけがぐっと身近になります。

ミソハギ——水で清めて精霊を迎える「精霊花」

盆花のミソハギ(精霊花)の花

ミソハギは「精霊花(しょうりょうばな)」とも呼ばれる、盆花としてよく知られる植物です。

名前は「禊萩(みそぎはぎ)」に由来し、水で清めて精霊を迎える花と伝えられてきました。

ミソハギはミソハギ科の多年草で、7〜9月に紅紫色の花を咲かせます。

水辺を好み、庭の湿り気のある場所なら植えっぱなしでも毎年花を楽しめます。

ホオズキ——ご先祖様を導く小さな提灯

ホオズキの実

ホオズキは、袋状の実の形と橙色を提灯に見立てて飾られてきました。

ご先祖様が迷わず帰るための道しるべ、と伝えられてきた盆花です。

日当たりのよい場所なら育てやすく、鉢植えでも実を楽しめます。

ハスやキキョウもお盆と縁の深い花

ハスの花

ハスは極楽浄土を象徴する花として、お盆の飾りやお供えに使われます。

キキョウやオミナエシなど秋の七草の花も、盆花としてよく選ばれます。

庭に一角だけでも盆花の場所があると、毎年のお盆の景色が変わります。

庭で盆花を育てるコツ

ミソハギは水切れに注意し、鉢植えなら受け皿に水をためる腰水管理が向いています。

ホオズキは日当たりのよい場所で育てると、実が色づく7〜8月にちょうどお盆を迎えます。

祇園祭の魔除け「ヒオウギ」の由来と庭での育て方

ヒオウギの花

京都の7月といえば祇園祭です。祭りに欠かせない花として知られているのがヒオウギです。

ヒオウギ(檜扇)は、扇のように広がる平たい葉の形が、平安貴族の持つ「檜扇」に似ていることから名づけられました。

古来よりヒオウギには魔除け・悪霊退散の力があると伝えられてきました。

そのため祇園祭の期間中、京都の古い町家やお店の玄関、床の間には、ヒオウギが生けられています。お祭りの無事と疫病除けを願う、大切な伝統のシンボルです。

庭でヒオウギを育てるコツ

ヒオウギは日本の気候によく合うため、庭植えに向いています。

日当たりと水はけのよい場所に植えておくと、冬もそのままで、雨水だけで毎年花を咲かせる、手のかからない植物です。

夏はオレンジ色の花が庭を彩り、花のない時期もシャープな葉が空間を引き締めます。秋には黒い実「ヌバタマ」で、季節の移ろいも楽しめます。

京都のお盆の習俗と庭の関わり

京都では、六道珍皇寺の六道まいり(8月7日〜10日)をはじめとする精霊迎えでご先祖様を迎え、8月16日の五山送り火で送ります。

六道まいりは、迎え鐘を撞いて「お精霊(しょらい)さん」をお迎えする行事です。

京都では、お盆の時期だけ帰ってくるとされるご先祖様の霊を、親しみを込めて「お精霊さん」と呼びます。

そして8月16日の夜、お盆に迎えた霊を送る「精霊送り」のかがり火が五山送り火です。

庭先は霊を迎える最初の場所

迎え火は、麻がら(おがら)を焙烙(ほうろく)という素焼きの皿にのせて焚くのが習わしです。

場所は玄関先や庭先の、風通しがよく安全なところが古くから選ばれてきました。

庭先はご先祖様を最初にお迎えする場所であり、京都ではお盆の前に庭を清めて整える習慣が受け継がれてきました。

精華町や木津川市でも、迎え火を焚くご家庭は今も多くあります。

現場からのひとこと: お盆前のご依頼では「親戚が集まる前に整えたい」というお声を毎年多くいただきます。私たちも、迎え火を焚く玄関先や、人が集まる縁側まわりを優先して仕上げるご提案をしています。

帰省で留守にする間の水やり対策

2〜3日の帰省なら出発前のたっぷりの水やりで足り、1週間なら自動散水タイマーの併用が安心です。

京都府南部は内陸の盆地性気候で、夏はとくに蒸し暑い地域です。

水やり判断フロー(帰省日数で選ぶ) 家を空ける日数は? 2〜3日ほど 1週間ほど 出発前にたっぷり水やり 鉢植えは日陰・軒下へ移動 株元に敷きわらで乾燥を遅らせる 自動散水タイマーを設置 鉢植えには給水グッズを併用 帰宅後は株元の様子を確認
図: 帰省日数に応じた水やり判断フロー

2〜3日空ける場合

  • 出発の朝、株元まで染みるようにたっぷり水やりをします
  • 鉢植えは直射日光を避け、日陰や軒下へまとめて移動します
  • 株元にバークチップや敷きわらを敷くと、土の乾きが遅くなります

1週間ほど空ける場合

蛇口に取り付ける自動水やりタイマーを使うと、毎日同じ時刻に同じ量の散水ができます。

鉢植えには、ペットボトルの給水キャップなどの給水グッズも有効です。

長く手が回らない庭の管理は、空き家の庭管理の記事でも詳しくご紹介しています。

お盆時期の台風や夕立に備える庭の点検ポイントは?

帰省で家を空ける前に、支柱・徒長枝・鉢物・物置まわりの4点を点検しておくと安心です。

気象庁の統計では、台風の日本への接近数は8月が年間で最も多くなっています。

出発前のチェックリスト

  • 支柱:ぐらつきやゆるんだ結びを直します。植えたばかりの木は念入りに確認します
  • 徒長枝:風にあおられやすい、飛び出した枝を切り戻します
  • 鉢物・プランター:風の当たらない場所へ移動するか、あらかじめ横に寝かせます
  • 物置まわり:じょうろやバケツ、すだれなど飛びやすい物を収納します

点検作業は日中の高温を避け、朝夕の涼しい時間帯に行うと安心です。

台風が近づいている場合や、高い木の点検・作業に不安がある場合は、無理をせず専門業者にご相談ください。

台風や強風で庭木が倒れたときの動き方は、庭木が倒れた時の緊急対応の記事にまとめています。

よくある質問

お盆にミソハギを飾るのはなぜですか?

ミソハギは「禊萩」に由来し、水で清めて精霊を迎える意味を持つ、盆花としてよく知られる植物です。

7〜9月に紅紫色の花が咲き、水辺を好むため庭植えでも育てられます。

ヒオウギはなぜ祇園祭に飾られるのですか?

ヒオウギには古くから魔除け・悪霊退散の力があると伝えられ、祇園祭の期間中は町家の玄関や床の間に生けられてきました。

庭では日当たりと水はけのよい場所を好み、雨水だけで毎年花を咲かせる丈夫な植物です。

お盆の帰省で1週間家を空けます。庭の水やりはどうすればよいですか?

2〜3日なら、出発前のたっぷりの水やりで足ります。

1週間ほどなら、自動散水タイマーや保水資材の併用が安心です。鉢物は日陰へ移動します。

京都のお盆はいつからいつまでですか?

京都を含む関西では、8月13日から16日の旧盆が一般的です。

六道珍皇寺の六道まいり(8月7日〜10日)でご先祖様を迎え、8月16日の五山送り火で送ります。

まとめ

盆花や祇園祭のヒオウギの意味を知ると、お盆の庭仕事がぐっと身近になります。

留守中の水やりと台風前の点検まで済ませておくと、安心してお盆を過ごせます。

夏の庭とお盆まとめ
項目 内容 ポイント
盆花 ミソハギ・ホオズキ・ハスなど 精霊を迎える意味を持つ花です
ヒオウギ 祇園祭の魔除けのシンボル 日当たりと水はけがよい場所で毎年花を咲かせます
京都の習俗 六道まいり(8月7〜10日)・五山送り火(8月16日) 庭先は霊を迎える最初の場所になります
留守中の水やり 2〜3日はたっぷり、1週間はタイマー併用 鉢物は日陰へ移動します
台風前点検 支柱・徒長枝・鉢物・物置まわり 8月は台風の接近が年間で最も多い月です

「どこから手を付ければよいか分からない」という段階でも、庭の写真を拝見するところから始められます。相談だけでもお気軽にお寄せください。

お盆前の庭のご相談は、写真を送るところから始められます。

気になる庭木や草の様子の写真を送ると、作業のご提案とお見積りがスムーズです。写真1枚からで大丈夫です。

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