庭木が急に枯れてきた!?ナラ枯れって何?|京都・学研都市のサイン・対処・伐採相談ガイド
2026年6月18日
庭のコナラやカシが、夏に急に枯れてきた——そんな庭木のお悩みを、お手入れを受けるなかで毎年のように伺います。
原因も分からないまま葉の色が日に日に変わっていく、そのご不安はとてもよく分かります。
庭木が夏に急に枯れたとき、京都ではナラ枯れの疑いがあります。
とくにコナラやクヌギといったどんぐりのなる木で、この夏枯れがよく見られます。

その背景には「ナラ枯れ」という、虫が運ぶ伝染病が関わっていることがあります。
京都南部・学研都市では、被害木の伐採やナラ枯れのご相談を承っています。
結論からお伝えすると、ナラ枯れは、カシノナガキクイムシが運ぶ「ナラ菌」によって木の水の通り道がふさがれ、夏に急に葉が赤茶色になって枯れる伝染病です。

庭のコナラやカシが急に枯れたら、ナラ枯れの疑いがあります。京都南部・学研都市では、被害木の伐採相談を承っています。
根元にたまる木くず(フラス)が、見分けの手がかりになります。私たちは昭和54年から庭木を扱ってきた造園会社として、サインの見方から対処・予防までを順にお伝えします。
この記事でわかること
- ナラ枯れとは何か(ブナ科の木が枯れる伝染病であること)
- 原因となるカシノナガキクイムシとナラ菌の関係
- フラス・穿入孔・急な葉枯れという三つの見分けのサイン
- 放置したときの倒木リスクと、対処・予防の選択肢
ナラ枯れとは何か
ナラ枯れとは、コナラやミズナラなどブナ科の木に起こる伝染病で、小さな甲虫が運ぶ病原菌によって木が水を吸い上げられなくなり枯れる現象です。
正式には「ブナ科樹木萎凋病(いちょうびょう)」と呼ばれます。
萎凋とは、植物がしおれて元気をなくす状態を指す言葉です。
木の内部では、根から吸い上げた水が「道管」という細い管を通って葉まで運ばれています。
ナラ枯れでは、この道管が菌の繁殖でふさがれ、葉に水が届かなくなります。
その結果、夏のある時期に葉がいっせいに赤茶色へ変わり、見た目には「急に枯れた」ように映ります。
私たちのもとにも、前の年まで青々としていた木が一夏で枯れ込むご相談が増えています。
つまりナラ枯れは、木の体力が落ちて自然に弱るのとは違い、虫と菌がセットで引き起こす病気です。
だからこそ一本だけでなく、周りの木へ広がっていく点に注意が必要です。

原因はカシノナガキクイムシとナラ菌
ナラ枯れの原因は、カシノナガキクイムシという体長5ミリほどの小さな甲虫と、その虫が運ぶ「ナラ菌」という病原菌の組み合わせです。
カシノナガキクイムシは通称「カシナガ」と呼ばれます。
カシナガが木の幹に穴を開けて入り込むとき、体に付けたナラ菌をいっしょに持ち込みます。
持ち込まれたナラ菌は幹の内部で増殖し、水を運ぶ道管をふさいでいきます。
この通水障害によって、木は水を吸い上げられなくなり、やがて枯死します。
カシナガと菌の共生関係
カシナガは、自分が掘ったトンネルの中で増えたナラ菌などを食べて育ちます。
菌にとってもカシナガは、別の木へ運んでもらえる移動手段になります。
この虫と菌の協力関係が、ナラ枯れを群れとして広げていく仕組みの中心です。
被害が広がってきた背景
近年に被害が目立つようになった背景には、木の高齢化と大径化があるとされています。
かつて薪や炭の材料として定期的に伐られていたコナラ林は、利用が減って太く育ちました。
太い木はカシナガが繁殖しやすく、それが被害拡大の一因と考えられています。
京都でも、京都三山や大江山の周辺などでコナラ・ミズナラの被害が確認されており、1993年ごろにも大きな被害が起きた経緯があります。
現場からのひとこと: 庭の一本が枯れたとき、その木だけの問題と捉えがちです。実際にはカシナガが近くの太い木へ移ることもあるため、私たちは庭全体のブナ科の木を一度見渡すことをおすすめしています。
被害を受けやすい木
被害を受けやすいのは、コナラ・ミズナラ・クヌギなど、どんぐりのなるブナ科の木で、庭木やシンボルツリーとしても親しまれている樹種が含まれます。
具体的には、次のような木が対象になります。
- コナラ・ミズナラ:里山や雑木林に多く、雑木の庭にもよく使われます
- クヌギ・カシワ:太く育ちやすく、カシナガが好む傾向があります
- クリ:実をとる木としても身近な存在です
- シイ類・カシ類:常緑のものも含め、ブナ科として被害の対象になります
共通するのは、いずれも「どんぐり」をつけるブナ科の仲間という点です。

雑木の庭づくりではコナラがよく選ばれるため、ご自宅のシンボルツリーが該当しないか気にかけておくと安心です。
覚えておきたい目安
「どんぐりがなる木かどうか」が、被害を受けやすいかどうかの分かりやすい目印になります。
枝先にどんぐりがつく木で夏の急な葉枯れが見られたら、ナラ枯れの可能性を念頭に置いてご確認ください。
見分け方のサイン
見分け方のサインは、夏の急な葉枯れ・幹の小さな穴・根元の木くず(フラス)という三つが代表的で、これらが重なるほどナラ枯れの可能性が高まります。
順に見ていきます。
夏に急に葉が赤茶色になる
梅雨明けごろから夏にかけて、葉がいっせいに赤褐色へ変わって枯れるのが最も目立つサインです。
春の芽吹きの遅れや、秋の紅葉とは進み方が違い、短い期間で一気に色が変わります。
遠目に見ても、一本だけ色合いが違って見えることが多いです。
幹に小さな穴が多数あく
幹をよく見ると、直径1〜2ミリほどの小さな穴が点々とあいていることがあります。
これはカシナガが入り込んだ「穿入孔(せんにゅうこう)」と呼ばれる穴です。
一つひとつは小さくても、数が多いほど内部に虫が入り込んでいるサインになります。
根元に木くず(フラス)がたまる
木の根元や幹のくぼみに、木くずと虫の糞が混じった細かい粉がたまることがあります。
これを「フラス」と呼び、ナラ枯れを見分けるうえで分かりやすい手がかりです。
新しいフラスがたまっている木は、その内部で虫が活動しているサインです。
枯死した木や、弱った大径木は倒木の危険があります。
また、被害を受けた木の薪や伐採材をそのまま別の場所へ移動すると、中に潜むカシノナガキクイムシをいっしょに運んでしまい、被害を広げる原因になります。
放置するとどうなるか
放置するとどうなるかというと、枯死が進んで木が脆くなり、大きな木では幹折れや倒木につながって、人や建物への危険が高まります。
順を追って整理します。
枯死と幹のもろさ
道管がふさがれて水が上がらなくなった木は、徐々に枯死へ向かいます。
枯れた木は内部が乾いてもろくなり、健全なときよりも折れやすい状態になります。
とくに太く高い木ほど、倒れたときの影響が大きくなります。
倒木・落枝による危険
枯れて弱った木は、台風や強風のときに幹から折れたり、根元から倒れたりすることがあります。
庭の木が道路や隣家に面している場合、倒木や落枝はご近所への思わぬ被害につながりかねません。
危険な状態の木については、放置せず早めにご相談いただくほうが安心です。
周囲への感染拡大
枯れた木の中ではカシナガが翌年に向けて増えており、放置すると周囲のブナ科の木へ広がっていきます。
庭に複数のどんぐりの木がある場合、一本の放置が庭全体のリスクにつながることもあります。
危険木の扱いについては、伐採の判断と費用感をまとめたウルシの伐採費用と注意点の記事も参考になります。
対処と予防の選択肢
対処と予防の選択肢は、枯れた木は早めに伐倒・くん蒸で虫ごと処理し、健全な木は樹幹注入による予防を検討するという二本立てが基本になります。
状況に応じて選び方が変わります。
被害木は早めに駆除する
すでに枯れた木や被害が進んだ木は、中の虫ごと処理することが大切です。
具体的には、早めの伐倒や、伐った材をくん蒸して虫を死滅させる方法がとられます。
伐採した材を別の場所へ動かすとカシナガを広げてしまうため、運搬や保管には注意が必要です。
薪や伐採材の扱い
被害木の薪や丸太を、まだ虫が出る前に庭の外へ持ち出すと、別の場所へカシナガを広げる原因になります。
処理の方法に迷う場合は、移動させる前にご相談いただくと安心です。
健全な木は予防を検討する
まだ被害を受けていない大切な木には、ナラ菌の侵入を防ぐ薬剤を幹に注入する「樹幹注入」という予防方法があります。
カシナガが幹を覆うシートで穿入や脱出を物理的に防ぐ方法がとられる場合もあります。
どの方法が向くかは、木の状態や本数、周囲の被害状況によって変わるため、現地での確認が前提になります。
危険木の費用と自治体の制度
京都市など一部の自治体には、危険木の伐採を支援する制度があります。
対象や金額・条件は自治体ごとに異なるため、お住まいの市町村や京都府にご確認いただくと安心です。精華町の制度については精華町の危険木伐採の補助金の記事でも詳しくご紹介しています。
制度の有無や内容は年度によっても変わるため、最新の情報は窓口でご確認ください。
私たちも、現地調査のうえで作業内容に応じたお見積りをお出ししています。
私たちにご相談いただけること
私たちにご相談いただけることは、ナラ枯れの疑いがある木の現地確認から、被害木の伐採・処理、健全な木の予防、庭全体の見直しまで幅広く対応しています。
私たちは昭和54年の創業以来、精華町を拠点に京都・奈良・大阪・滋賀で庭木のお手入れを手がけてきました。
ナラ枯れに関しては、次のようなご相談に対応しています。
- 葉枯れ・穴・フラスといったサインの確認と、ナラ枯れかどうかの現地での見立て
- 枯死木・危険木の安全な伐採と、虫を広げない伐採材の処理
- 残したい木への予防の検討と、庭全体のブナ科の木の点検
- 枯れた木を抜いたあとの植え替えや、庭の整理に関するご提案
木を減らしたい、庭を縮小したいといったご希望には、庭じまいの視点でもご相談に応じています。
剪定や植栽を含む庭づくり全般は、造園・剪定のページもご確認ください。
相楽郡・木津川市・京田辺市・宇治市など、京都南部・学研都市のエリアは、現地確認に伺いやすい地域です。
京都で庭木のナラ枯れが気になる場合は、写真を添えてお気軽にご相談ください。
よくある質問
枯れた木は、必ず伐らないといけませんか?
枯れ方や木の大きさ、置かれた場所によって判断が変わります。
道路や隣家に面した大きな木で倒木の心配がある場合は、早めの対応をおすすめしています。状況を写真で拝見できれば、見るべき点を整理しやすくなります。
隣の木が枯れていますが、うちの木にうつりますか?
カシノナガキクイムシは近くの木へ移ることがあるため、可能性はあります。
ご自宅にコナラなどブナ科の木がある場合は、葉の様子や幹の穴、根元のフラスを一度ご確認ください。気になる点があれば現地で見立てます。
テッポウムシの食害とナラ枯れは、どう見分けますか?
テッポウムシ(カミキリの幼虫)は、幹の根元に木くずを出して幹の中を食い荒らす害虫です。被害は枝一本ずつ進むことが多く、木全体が急に枯れる例は多くありません。
一方ナラ枯れは、夏に木全体が赤茶色へ一気に枯れ込み、フラスや直径1〜2ミリの穿入孔が幹に多数あくのが特徴です。急な全体枯れと多数の小さな穴は、ナラ枯れを疑う手がかりになります。
予防の注入をすれば、絶対に枯れませんか?
予防はリスクを下げる手段であり、どんな木も100%守れると言い切れるものではありません。
木の状態や周囲の被害状況によって向き不向きがあるため、現地で確認したうえで、注入が適しているかどうかをご提案します。
枯れた木の薪を、もらって持ち帰っても大丈夫ですか?
被害木の薪や丸太には、カシノナガキクイムシが潜んでいることがあります。
そのまま別の場所へ運ぶと被害を広げる原因になるため、移動の前に処理の方法をご相談いただくと安心です。
伐採の費用に補助は出ますか?
危険木の伐採などに補助制度を設けている自治体もありますが、有無や内容は地域・年度によって異なります。
確実な情報は、お住まいの自治体や京都府にご確認ください。作業内容に応じた費用は、現地調査のうえでお見積りをお出しします。
まとめ
ナラ枯れは、カシノナガキクイムシが運ぶナラ菌によって木の水の通り道がふさがれ、夏に急に葉が赤茶色になって枯れる伝染病です。
見分けの手がかりは、夏の急な葉枯れ・幹の小さな穴・根元のフラスという三つのサインです。
放置すると枯死した木がもろくなり、倒木や周囲への感染拡大につながるため、早めの見立てが安心につながります。
| 項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 正体 | ブナ科樹木萎凋病という伝染病 | カシナガとナラ菌がセットで起こします |
| 原因 | カシノナガキクイムシ+ナラ菌 | 道管がふさがれ通水障害で枯れます |
| かかりやすい木 | コナラ・ミズナラ・クヌギなどブナ科 | どんぐりのなる木が目印です |
| サイン | 夏の葉枯れ・幹の穴・根元のフラス | 三つが重なるほど可能性が高まります |
| 対処 | 被害木は伐倒・くん蒸で駆除 | 伐採材の移動はカシナガ拡散に注意します |
| 予防 | 健全木は樹幹注入などを検討 | 現地確認で向き不向きを判断します |
「枯れているのか、ナラ枯れなのか分からない」という段階でも、写真を拝見するところから始められます。相談だけでもお気軽にお寄せください。
ナラ枯れのご相談は、気になる木の写真を送るところから始められます。
枯れてきた木の全体、幹の表面、根元のフラスの写真を送ると、現地確認で見るべき点を整理しやすくなります。
LINEに登録して写真で相談するお電話でのご相談も受け付けています。
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